daikyuunoshoのブログ

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M&Aによる進出①-2

引き続き、M&Aでの進出方法に関して記載していこうと思う。

 

②自動承認ルートの事後届出

外資規制上、政府の事前承認を要しない類型の取引であっても、居住者・非居住者間のインド法人に関する株式譲渡においては、所定の申請書が公認取引銀行(Authorised Dealer Bank)に買収対価の受領後60日以内に提出されなければならない。

 

その際、プライシング・ガイドラインズに沿った公正価格の証明書その他の添付書類も提出されなければならない。

したがって、実務上は、当該証明書の取得も株式譲渡契約におけるクロージングの前提条件とされることになる。

 

③株式譲渡金の後払い

以前は、外資企業による買収の際、売買代金を後払いするには、インド準備銀行の事前承認が必要であり、また、売買代金のエスクロー口座を利用した決済も一定の場合しか認められていなかった。

 

しかし、この点において2016年に規制緩和され、居住者と非居住者の間で株式譲渡が行われる場合、譲渡対価の25%を上限として、株式譲渡契約締結日から18ヶ月以内であれば、インド準備銀行の承認を得ずとも、売買対価を後払いすることが認められるようになっている。

 

これに伴い、当該規制を遵守する限り、株式譲渡代金の後払いのため、エスクロー口座を利用することも認められる。

 

インド企業を不当な価格で買収されないという点においては、インドという国の管理体制は良いと言えるのかもしれない。